PC用は別頁
※高校数学Ⅲの「定積分」について,このサイトには次の教材があります.
この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください.  が現在地です.
定積分の基本
定積分の置換積分
同(2)
定積分の部分積分
無理関数の定積分
三角関数の定積分
三角関数(絶対値付き)の定積分
limΣと定積分(区分求積法)
同(2)入試問題
閉曲線で囲まれた図形の面積
同(2)媒介変数
同(3)
定積分の漸化式
体積,表面積
曲線の長さ
定積分で定義される関数
応用問題-現在地

== 間接的に求める ==
【例題1】
 次の不定積分を求めよ.
(1)
sinxcosxsinx+cosxdx
(2)
sinxsinx+cosxdx,cosxsinx+cosxdx
(解説)
(1)
 次の公式を思い出せば(1)の問題は容易に解けます.
f(x)f(x)dx=logf(x)+C
sinxcosxsinx+cosxdx=(sinx+cosx)sinx+cosxdx
=logsinx+cosx+C

(2)
 ちょうど合う公式はありませんが,(1)を手掛かりとして「その場の機転で何とかできないものか」と考えます.
 マイナスの問題があるのにプラスがないのもおかしな話です.
 基本が分かることは重要ですが,基本公式を覚えただけでできる問題は限られています.
 基本だけではできないが,特に新しいことは何も覚えなくても,式の特徴を見てその場で機転を利かせるというのが,ワンランクアップする1つの方法です…問題作成者の「興味」「関心」を読み取るのです.
I1=sinxcosxsinx+cosxdx=logsinx+cosx+C1

これにもう1つ次の式が分かれば,問題は解けます.
I2=sinx+cosxsinx+cosxdx
ところがこの式は,よく考えればただ同然のものです.
I2=sinx+cosxsinx+cosxdx=1dx=x+C2
被積分関数のところを見ると,全体の和と差が分かったことになり,(2)の問題が解けます.
I1+I22=sinxsinx+cosxdx
=xlogsinx+cosx2+C
I2I12=cosxsinx+cosxdx
=x+logsinx+cosx2+C
【要点】
 和と差が分かれば,1つずつ求められる.

≪問題1≫ 次の不定積分を求めよ。
(正しいものをクリック。暗算ではできないので計算用紙が必要。解答すれば解説も読める。)
(1)
exex+exdx
log(ex+ex)+C ex+ex2+C
x+log(ex+ex)2+C xlog(ex+ex)2+C
(2)
exex+exdx
logexex+C exex2+C
log(e2x+1)2+C xlogexex2+C

== 定積分の問題 ==
【例題2】
 次の定積分を求めよ.
(1)
0π2sinxcosxsinx+cosxdx
(2)
0π2sinxsinx+cosxdx,0π2cosxsinx+cosxdx
(解説)
例題1のやり方でもできますが,0π2だからこそ利用できる簡単な方法もあります.(他の一般の区間なら例題1の結果が必要になります)

ア) 例題1のやり方で味をしめて,定積分でもやってみる場合の答案
(1)
0π2sinxcosxsinx+cosxdx=0π2(sinx+cosx)sinx+cosxdx
=[log(sinx+cosx)]0π2=(log1log1)=0…(1)
(2)
0π2sinx+cosxsinx+cosxdx=0π2dx=[x]0π2=π2…(2)
(1)+(2)とすると
0π22sinxsinx+cosxdx=π2だから
0π2sinxsinx+cosxdx=π4
(2)−(1)とすると
0π22cosxsinx+cosxdx=π2だから
0π2cosxsinx+cosxdx=π4

イ) 置換積分を行う.
(1)
x=π2tとおくと
x0π2
tπ20
sinx=cost
cosx=sint
dtdx=1
0π2sinxsinx+cosxdx
=π20costcost+sint(dt)
=0π2costcost+sintdt
=0π2cosxsinx+cosxdx
したがって
0π2sinxcosxsinx+cosxdx=0→(1)

(2)は上記のア)と同じ
【要点】
○和と差が分かれば,1つずつ求められる.

○一般化して
X=f(x)dx,Y=g(x)dx
の各々を計算するのが難しく見えるときでも,を既知の関数(や定数)として
2X+3Y=
3X2Y=
のような連立方程式が作ることができれば問題は解ける.

≪問題2≫ 次の定積分を求めよ。
(正しいものをクリック。暗算ではできないので計算用紙が必要。)
(1)
X=11e2xe2x+e3xdx,Y=11e3xe2x+e3xdx
とおくとき,X,Yの値は
X=1,Y=1 X=1,Y=3
X=2,Y=3 X=5,Y=1
(2)
0π2cosx2sinx+3cosxdx
113(π3log23) 113(π+3log23)
113(32π+2log23) 113(32π2log23)

≪問題3≫

I=0π2cos3xcosx+sinxdx,J=0π2sin3xcosx+sinxdx
とする.
(1) x=π2tとおいて置換積分を用いることで,I=Jを示せ.
(2) I+Jの値を求めよ.
(3) IJの値を求めよ.
(静岡大学工学部2016年入試問題)
参考答案を見る参考答案を隠す

≪問題4≫・・・さよならの前に♪
(正しいものをクリック。暗算でできます。)

X=sinxsinx+2cosxdx
Y=cosxsinx+2cosxdx
とおくとき
3sinx+4cosxsinx+2cosxdx
に等しいものを選んでください.ただし積分定数を省略して答えるものとする.
3X+4Y 3X4Y
3X+4Y 4X+3Y
...(携帯版)メニューに戻る

...(PC版)メニューに戻る

■[個別の頁からの質問に対する回答][間接的に求めるについて/18.8.13]
例題2の解説(ア)の(1)、途中計算式2行目で、【log(sinx+cosx)】(積分区間0からπ/2)となっていますが、途中計算式1行目の右辺の与関数の分子がマイナス分母を微分したものとなっていますから、途中計算式2行目は、-【log(sinx+cosx)】(積分区間0からπ/2)ではないでしょうか?(logの前にはマイナスがつくのではということです)
=>[作者]:連絡ありがとう.符号を訂正しました.

■このサイト内のGoogle検索■

△このページの先頭に戻る△
【 アンケート送信 】
… このアンケートは教材改善の参考にさせていただきます

この頁について,良い所,悪い所,間違いの指摘,その他の感想があれば送信してください.
○文章の形をしている感想は全部読ませてもらっています.
○感想の内で,どの問題がどうであったかを正確な文章で伝えていただいた改善要望に対しては,可能な限り対応するようにしています.(※なお,攻撃的な文章になっている場合は,それを公開すると筆者だけでなく読者も読むことになりますので,採用しません.)


質問に対する回答の中学版はこの頁,高校版はこの頁にあります