【剰余の定理 I】
整式P(x)を1次式x−aで割ったときの余りはP(a)に等しい
○剰余の定理を使えば割り算をしなくても「余り」が求められます.ただし,剰余の定理を使っても「商」は求められません.
※この定理では,「x−aで割ったときの余りはP(a)に等しい」という形になっているので,「x+aで割ったときの余りはP(−a)に等しい」というように,見かけの符号を逆に読まなければならないことに注意 【例】
(1) 整式x2+1をx−1で割ったときの余りを求めてください.
(解答)12+1=2
(2) 整式x2−3x+4をx+1で割ったときの余りを求めてください.
(解答)(−1)2−3×(−1)+4=8
(3) 整式x3+1をx−2で割ったときの余りを求めてください.
(解答)23+1=9
【剰余の定理 II】
整式P(x)を1次式ax+b(ただしa≠0)で割ったときの余りは に等しい
○剰余の定理Tではxの係数が1である場合にだけ余りが求められましたが,剰余の定理Uを使えばxの係数が1に限られず一般の1次式ax+bで割ったときの余りも求めることができます.
※この定理では,「ax+bで割ったときの余りは に等しい」という形になっているので,見かけの符号を剰余の定理Tとは逆に読まなければならないことに注意 【例】
(1) 整式x2+1を2x+1で割ったときの余りを求めてください.
(解答)
(2) 整式x2+1を3x−2で割ったときの余りを求めてください.
(解答)
※(より深く理解するために)
剰余の定理Tを,ごく自然に使えば「x−aで割ったときの余りはP(a)」という場合にaは整数に見えますが,実際には分数でも(無理数でも,虚数でも)かまいません. そうすると,たとえば というような値は,剰余の定理Tで解釈すれば, で割ったときの余りを表しているように見えます. また,剰余の定理Uで解釈すれば2x−1で割ったときの余りを表しているように見えます. これは矛盾ではなく,どちらで解釈してもかまいません.実は で割ったときの余りと2x−1で割ったときの余りは等しく,商が異なるだけです. 次のように対応しています. 上記の【例】(1)では 上記の【例】(2)では
【要約】
○剰余の定理T,Uのどちらで考えてもよい.(定理Uはa=1の場合でも使える) ○慣れるまでは,「見かけのままに」定理Tはxの係数が1である場合に使い,定理Uxの係数が1でない場合に使うと決めるとよい. |
【問題1】 正しいものを選んでください.(計算用紙が必要です) |
【問題2】 正しいものを選んでください.(計算用紙が必要です) |
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