![]() ![]() *** 科目 *** 数Ⅰ・A数Ⅱ・B数Ⅲ高卒・大学初年度 *** 単元 *** 数と式不等式二次関数二次不等式三角比三角比と図形集合・命題・証明順列・組合せ確率整数の性質 ※高校数学Ⅰ・Aの「数と式」について,このサイトには次の教材があります. この頁へGoogleやYAHOO ! などの検索から直接来てしまったので「前提となっている内容が分からない」という場合や「この頁は分かったがもっと応用問題を見たい」という場合は,他の頁を見てください. が現在地です. ↓単項式と多項式
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【例題1】
|4x−3|≦−x+7を解くとaである.
(解説)(神奈川大2011年度)
【要点1】
絶対値記号は,| |の中身全体の正負に応じて場合分けして外すのが基本です. すなわち
|a|=
![]() −a (a<0のとき)
※(初歩的な注意)
1) 絶対値記号に慣れていない高校生が,次のような間違い答案を書くことがあります.教える側から見れば「何もわかっていない!」「猛反省が必要」「不注意にもほどがある,はらわたが煮えくり返る」というビックリ答案ですので,心当たりのある人は気を付けてください.
|a|=
![]() −a (|a|<0のとき) ←××× ○そもそも絶対値記号| |は,中身が負の数のときに符号を変えて正の数にするためのものです.(中身が0以上の数のときは,そのまま何も変えません.) だから,| |の付いている式は,つねに0以上になります.
|a|≧0のとき というのは当然のことで,場合分けの役に立っていません.
また,| |の付いている式が負の数になることはありません.
|a|<のとき というのはあり得ない話をしており,場合分けの役に立っていません.
○勢い余って,以上のような間違い答案で恥をかかないように,絶対値記号をはずすための場合分けは,上の要点に述べたように「中身全体で場合分けする」ことが重要です.
2) |4x−3|の絶対値をはずすとき,
ここまでで,絶対値記号をはずす準備ができたので,実際に問題を解いてみます.
|4x−3|=
![]() −(4x−3) (x<0のとき) と書いている間違い答案も多く見られます. 上に述べた要点1をもう一度よく見てください.
| |の中身全体の正負に応じて場合分けして外す
ので,要点1をこの問題に当てはめると,| |の中身全体とは4x−3のことなので
|4x−3|=
![]() −(4x−3) (4x−3<0のとき) のようになるはずです.ただし,この書き方では( )内がxの範囲を直接に表していないので,通常は次のようにxの範囲について解き直した形で書きます.
|4x−3|=
![]() −(4x−3) ( |4x−3|≦−x+7 より
ア)
4x−3≦−x+7 5x≦10 x≦2 したがって イ) −(4x−3)≦−x+7 −4x+3≦−x+7 −3x≦4 したがって 以上のア)イ)をまとめると
(*1)について
は の形にまとめます. (*2)も同様です.
【要点2】
(条件1)のとき(条件2)
と解けたら「(条件1)かつ(条件2)」 の形にまとめる. ![]() (*3)について 下着などによく使われているボタン(スナップボタンというのかもしれない)でつなぐと2つのものはつながる。 ではなくて と答えなければならない.
(1)
参考答案を見る不等式x2−x−5<|2x−1|を解け. (東京電機大2016年度)
あらかじめ| |の中身全体の符号が「0以上になる場合」と「負になる場合」とを求めておきます.
2x−1<0を解くと 2x−1≧0を解くと そこで,xの値の範囲によって場合分けして
ア)
|2x−1|=−(2x−1)となるから x2−x−5<−(2x−1)を解く x2+x−6<0 (x+3)(x−2)<0より −3<x<2 以上から
イ)
|2x−1|=2x−1となるから x2−x−5<2x−1を解く x2−3x−4<0 (x+1)(x−4)<0より −1<x<4 以上から
ア)イ)をまとめると
−3<x<4…(答)
(2)
参考答案を見る不等式|x2−6|+x≧0を満たすxの範囲は(iii)である. (北見工大2016年度)
絶対値記号をはずすには,| |の中身全体の正負に応じて場合分けしなければなりません.
そのためには,あらかじめ| |の中身全体の符号が≧0の場合と<0の場合を求めておきます. | |の中身全体がこの問題のように2次式になっている場合は,あらかじめ2次不等式を解いておくということです. x2−6<0を解くと x2−6≧0を解くと そこで,xの値の範囲によって場合分けして
ア)
|x2−6|=x2−6となるから x2−6+x≧0を解く x2+x−6≧0 (x+3)(x−2)≧0より x≦−3, 2≦x 以上から x≦−3
イ)
|x2−6|=−(x2−6)となるから −(x2−6)+x≧0を解く x2−x−6≦0 (x+2)(x−3)≦0より −2≦x≦3 以上から ウ) |x2−6|=x2−6となるから x2−6+x≧0を解く x2+x−6≧0 (x+3)(x−2)≧0より x≦−3, 2≦x 以上から
ア)イ)ウ)をまとめると
x≦−3, −2≦x…(答) |
【例題2】 絶対値記号が2つある場合
|x+1|+|x−2|>5の解はx<ア,x>イである.
(東海大2011年度)
【要点2】
(答案)1直線上の2つの場合分けを組み合わせるには,3つの場合に分けるとよい ![]()
ア)x<−1のとき
※数学Ⅰでは,場合分けは「もれなく」「重複なく」行うようにするので,2つの場合分けの両方に区切り目が重複しているような答案はよくない.イ)−1≦x<2のとき ウ)2≦xのとき
x≦−1,−1≦x≦2,2≦xの分け方はダメ
※答案作成の都合上,区切り目が(よりも大)(以下)の形になるのはかまわない.
x<−1のときは当然x<2になるから
ア)x<−1のとき|x+1|=−(x+1) |x−2|=−(x−2)
−(x+1)−(x−2)>5
イ)−1≦x<2のとき−x−1−x+2>5 −2x>4 x<−2 (もとのx<−1も満たしている)
(x+1)−(x−2)>5
x+1−x+2>5 3>5 これが成立することはない
x>2のときは当然x>−1になるから
ウ)2≦xのとき|x+1|=x+1 |x−2|=x−2
(x+1)+(x−2)>5
以上をまとめるとx+1+x−2>5 2x>6 x>3 (もとの2≦xも満たしている)
x<−2, 3<x…(答)
【問題2】
(1)
参考答案を見る式2|x−4|+|x+3|≦13を満たすxの解は −エ≦x≦オである. (東洋大2011年度)
|x−4|の絶対値記号をはずすには,x<4, x≧4に分ける.
|x+3|の絶対値記号をはずすには,x<−3, x≧−3に分ける. 結局,x<−3, −3≦x<4, 4≦xに分けるとよい
x<−3のときは当然x<4になるから
ア) x<−3のとき|x+3|=−(x+3) |x−4|=−(x−4)
−2(x−4)−(x+3)≦13
イ) −3≦x<4のとき−2x+8−x−3≦13 −3x≦8 x<−3のときだから,ここからは解は出ない.
−2(x−4)+(x+3)≦13
−2x+8+x+3≦13 −x≦2 x≧−2 したがって,−2≦x<4
x>4のときは当然x>−3になるから
ウ) 4≦xのとき|x+3|=x+3 |x−4|=x−4
2(x−4)+(x+3)≦13
ア)イ)ウ)をまとめると2x−8+x+3≦13 3x≦18 x≦6 したがって,4≦x≦6 −2≦x≦6…(答)
(2)
参考答案を見る(i) 関数y=|2x−1|+|x−2|のグラフをかけ. (ii) |2x−1|+|x−2|=2を満たすxの値を求めよ. (関西大2011年度)
(i)
![]() ※グラフとしては,最低限折り目の座標が分かるように書いてなければならない.
y=−(2x−1)−(x−2)
イ) =−2x+1−x+2 =−3x+3
y=(2x−1)−(x−2)
ウ) =2x−1−x+2 =x+1
y=(2x−1)+(x−2)
グラフは右図の通り
=3x−3 (ii) グラフにより −3x+3=2を解いて −3x=−1 x+1=2を解いて x=1 以上から, |
【例題3】 絶対値記号が3つ以上ある場合
関数y=|x|+|x+1|+|x+2|+|x+3|は最小値ウをとる.
(答案)(山梨大2016年度)
ア) x<−3のとき
y=−(x)−(x+1)−(x+2)−(x+3)=−4x−6
イ) −3≦x<−2のときは減少関数(y>6)
y=−(x)−(x+1)−(x+2)+(x+3)=−2x
ウ) −2≦x<−1のときは減少関数(y>4)
y=−(x)−(x+1)+(x+2)+(x+3)=4
エ) −1≦x<0のときは定数値関数(y=4)
y=−(x)+(x+1)+(x+2)+(x+3)=2x+6
オ) 0≦xのときは増加関数(y≧4)
y=(x)+(x+1)+(x+2)+(x+3)=4x+6
したがって,−2≦x≦−1のとき最小値4をとる…(答)は増加関数(y≧6) (別解1) 絶対値記号をはずしても符号が正になるか負になるかの相違のみなので,1次関数の絶対値を何個加えても結果は1次関数になる. したがって,区切り目となる点を結んだ折れ線になる. x<−3のとき
y=−(x)−(x+1)−(x+2)−(x+3)=−4x−6
x=−3のときy=3+2+1+0=6は減少関数(y>6) x=−2のときy=2+1+0+1=4 x=−1のときy=1+0+1+2=4 x=0のときy=0+1+2+3=6 x≧0のとき
y=(x)+(x+1)+(x+2)+(x+3)=4x+6
結局,−2≦x≦−1のとき最小値4をとる…(答)は増加関数(y≧6) (別解2) |x|は原点からの距離を表す.|x+1|=|x−(−1)|は−1からの距離を,|x+2|=|x−(−2)|は−2からの距離を...表す. ![]()
4L+3+2+1=6+4L
イ) −3≦x<−2のとき,−2からの距離をLとすると
1+2L+2+1=4+2L
ウ) −2≦x<−1のとき
1+2+1=4
エ) −1≦x<−0のとき,−1からの距離をLとすると
1+2+1+2L=4+2L
オ) 0≦xのとき,0からの距離をLとすると
1+2+3+4L=6+4L
以上により,ウ)のとき最小値4をとる
【問題3】
(1)
参考答案を見る折れ線L:y=4|x|−5|x−2|+4|x−3|は
x<0のとき,y=アイx+ウ
と表される.Lと直線y=2x+k(kは定数)の共有点が4個となるようなkの値の範囲は,コ<k<サである.
0≦x<2のとき,y=エx+オ 2≦x<3のとき,y=カキx+クケ 3≦xのとき,y=3x−2 (千葉工大2014年度)
(複雑な問題になると基本に忠実に外していく方が堅実・安全)
x=0, 2, 3以上、未満で4通りに分ける. i) x<0のとき
y=−4(x)+5(x−2)−4(x−3)
ii) 0≦x<2のとき=−4x+5x−10−4x+12 =−3x+2
y=4(x)+5(x−2)−4(x−3)
=4x+5x−10−4x+12 =5x+2 ![]()
y=4(x)−5(x−2)−4(x−3)
iii) 3≦xのとき=4x−5x+10−4x+12 =−5x+22
y=4(x)−5(x−2)+4(x−3)
右図で青で示したy=2x+kのグラフが4か所で交わるためには,=4x−5x+10+4x−12 =3x−2
x=0のときy=2 → k=2よりも大
したがって,2<k<8
x=2のときy=12 → 12=4+k → k=8よりも小 |
絶対値記号は,| |の中身全体の正負に応じて場合分けして外すのが基本です. すなわち
|a|=
![]() −a (a<0のとき) 【要点2】 1直線上の2つの場合分けを組み合わせるには,3つの場合に分けるとよい ![]() x<a, a≦xのような場合はつながる. ![]() |
![]() ![]() |
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