証明問題
数学Tの正弦定理で解けるもの
…(1.1)
(解説)…(1.2) …(1.3)
三角関数を使った式,例えばsinAsin(B+C)は一般に変形しにくく,辺を使った式,例えばa(b+c)は展開しやすいので,なるべく辺だけで表すようにします.
ここでは,正弦定理を変形してとして使うとよいでしょう.sinB, sinCも同様です. このとき,一時的に外接円の半径Rが登場しますが,両辺や分母・分子に対等に表れるので,問題ありません. |
(1.1)← を代入すると (左辺)= (右辺)= よって,等式(1.1)が成り立つ (1.2)← を代入すると (左辺)= よって,等式(1.2)が成り立つ (1.3)← を代入すると (左辺)= (右辺)= よって,等式(1.3)が成り立つ |
数学Tの余弦定理で解けるもの
…(2.1)
…(2.2) …(2.3) …(2.4)
三角関数を使った式,例えばcosAcos(B+C)は一般に変形しにくく,辺を使った式,例えばa(b+c)は展開しやすいので,なるべく辺だけで表すようにします.
(解説)ここでは,余弦定理を変形してとして使うとよいでしょう.cosB, cosCも同様です. (2.1)← を代入すると (右辺) (左辺) よって等式(2.1)が成り立つ (2.2)← を代入すると (左辺) (右辺) よって等式(2.2)が成り立つ |
(2.3)← を代入すると (左辺) (右辺) よって等式(2.3)が成り立つ (2.4)← を代入すると (左辺)= (右辺)= よって等式(2.4)が成り立つ |
数学Tの正弦定理・余弦定理で解けるもの
…(3.1)
(解説)…(3.2) …(3.3) …(3.4) …(3.5) …(3.6) などを用いて角度の式を辺の式に直すのが基本です. (左辺)= (右辺)= よって等式(3.1)が成り立つ |
(3.2)← (左辺)= (右辺)= よって等式(3.2)が成り立つ (3.3)← (左辺)= (右辺)= よって等式(3.3)が成り立つ (3.4)← (左辺)= =(右辺) よって等式(3.4)が成り立つ |
(3.5)← (左辺)= =(右辺) よって等式(3.5)が成り立つ |
(3.6)← (第1辺)= (第2辺)= (第3辺)= よって等式(3.6)が成り立つ |
数学Tで面積Sや内接円の半径rに関するもの
面積をS,外接円の半径をR,内接円の半径をr,で表すとき
…(4.1)
…(4.2) …(4.3) …(4.4) …(4.5) …(4.6) …(4.7) …(4.8) …(4.9) …(4.10) …(4.11) |
(解説) (4.1)← 教科書に書かれている,次の公式は前提とします. この式に,正弦定理から得られるを代入すると よって等式(4.1)が成り立つ (4.2)← 右図のように三角形を3つに分けると よって等式(4.2)が成り立つ (4.3)← (4.2)に,正弦定理から得られるを代入すると よって等式(4.3)が成り立つ |
(4.4)← に,正弦定理から得られるを代入すると よって等式(4.4)が成り立つ (4.5)← (4.2)と(4.4)から 分母を払うと よって等式(4.5)が成り立つ (4.6)← (4.5)の両辺をで割ると よって等式(4.6)が成り立つ (4.7)← (4.2)から この式に,を代入すると (4.4)から を代入すると (4.2)から を分子の1つのに代入すると よって等式(4.7)が成り立つ (4.8)← (左辺) (4.4)から だから (左辺)(右辺) よって等式(4.8)が成り立つ |
(4.9)← 右図において,x, y, zで示した部分の長さはそれぞれ等しく またa=y+zだから x=s−a 右図において,頂点Aから内接円の中心に引いた線は∠Aの二等分線だから よって等式(4.9)が成り立つ (4.10)← 三角形の3辺の長さは正だから,(相加平均)≧(相乗平均)の関係が成り立つ.
むずかしい!
たまにはむずかしい問題もあります 両辺とも正だから,辺々掛けると ここでa+b+c=2sだから よって不等式(4.10)が成り立つ (4.11)← ヘロンの公式から …(*) ここで,三角形の2辺の和は他の1辺よりも大きいから b+c−a>0, c+a−b>0, a+b−c>0 そこで,正の数s−a, s−b, s−cに(相加平均)≧(相乗平均)の関係を適用すると (*)から よって不等式(4.10)が成り立つ |
数学Uの加法定理,倍角,半角公式に関するもの
…(5.1)
(5.1)←…(5.2) …(5.3) …(5.4) …(5.5) …(5.6) …(5.7) …(5.8) よって等式(5.1)が成り立つ (5.2)← よって等式(5.2)が成り立つ |
(5.3)← よって等式(5.3)が成り立つ (5.4)← よって等式(5.4)が成り立つ (5.5)← 分母を払うと よって等式(5.5)が成り立つ (5.6)← 分母を払うと よって等式(5.6)が成り立つ (5.7)← したがって 分母を払うと よって等式(5.7)が成り立つ (5.8)← (5.7)の両辺をで割ると得られる |
形状問題
次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か
数学Tの正弦定理で解けるもの
…(6.1)
…(6.2) …(6.3) …(6.4) …(6.5)
三角形の形状問題も,角度に関する式を辺に関する式に直してから考えるのが基本です.
(解説)a=bなどa=bの→二等辺三角形 a2=b2+c2など→∠A=90°の直角三角形 などど答えます. (単に「二等辺三角形」と答えると,どの2辺が等しいのか分かりませんので,等しい2辺も書くようにします.) a2=b2+c2などは,辺に関する式から角に関する結論を出すものですが,これは中学校で習う三平方の定理の逆なので,簡単に分かるでしょう. 詳しく言えば,からA=90°ということですが,このように基本に立ち帰って考える練習をしておくと,次のような応用的な問題でも対応できるようになります. a2=b2+c2+bcならば などと答えることができます. (6.1)→ になどを代入すると ∠A=90°の直角三角形…(答) (6.2)→ になどを代入すると ∠A=90°の直角三角形…(答) |
(6.3)→ になどを代入すると ∠B=90°の直角三角形…(答) (6.4)→ になどを代入すると ∠A=60°の三角形…(答) (6.5)→
※一般には,などを使って,角を辺に直すのが基本ですが,この問題のようにがある場合には,その式が複雑になりすぎます.
次のように,を使うともっと簡単にできます. …(*)または…(**) (*)よりb=cの二等辺三角形 (**)より ∠A=120°の三角形 ゆえに,b=cの二等辺三角形または∠A=120°の三角形…(答) |
次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か
数学Tの余弦定理で解けるもの
…(7.1)
(解説)…(7.2) …(7.3) …(7.4) …(7.5) …(7.6) (7.1)→ にを代入すると だから の二等辺三角形…(答) (7.2)→ になどを代入すると だから の二等辺三角形…(答) (7.3)→ に などを代入すると などを代入すると ゆえに,a=bの二等辺三角形または∠C=90°の直角三角形…(答) |
(7.4)→ に などを代入すると ゆえに,∠B=90°の直角三角形…(答) (7.5)→ に などを代入すると ゆえに,∠A=90°の直角三角形または∠B=90°の直角三角形…(答) (7.6)→ に などを代入すると (連立!) よりa=b よりb=c ゆえに,a=b=cとなって正三角形…(答) |
次の等式が成り立つとき,この三角形ABCはどのような形の三角形か
数学Tの正弦定理・余弦定理で解けるもの
…(8.1)
(解説)…(8.2) …(8.3) …(8.4) …(8.5) …(8.6) …(8.7) (8.1)→ に などを代入すると ゆえに,b=cの二等辺三角形…(答) (8.2)→ に などを代入すると ゆえに,a=bの二等辺三角形…(答) ※この問題については,原式からのとき からA=Bを導く短縮答案が可能であるが,例外処理が長くなる (A=90°のときは,原式からとなって矛盾.B=90°のときも同様に矛盾.以上からA, B≠90°を言う) (8.3)→ に などを代入すると b+c>0により,∠A=90°の直角三角形…(答) (8.4)→ に などを代入すると または ゆえに,∠A=90°の直角三角形または∠B=90°の直角三角形…(答) |
(8.5)→ に などを代入すると ゆえに,a=bの二等辺三角形または∠C=90°の直角三角形…(答) (8.6)→ により,両辺をで割ると この式に などを代入すると ゆえに,a=bの二等辺三角形または∠C=90°の直角三角形…(答) (8.7)→
※普通に変形すると,左辺に2Rが残ってしまうので,これを避けるために一時的になどをで表してみる
(6.5)のときと話が逆になってるじゃないか? いろいろ試してみるということです ここで,第1余弦定理によりだから ゆえに,∠A=90°の直角三角形…(答) |