PC用は別頁

== 不定積分の置換積分 ==

◇はじめに◇ 元の問題のままでは積分計算が困難に見える場合でも,変数を置き換えて関数形を変えると,簡単に積分計算ができることがあります。 変数の置き換えで積分を求める方法が置換積分です。
 ■ 次の空欄を埋めなさい。
○スペースキーを使わず,sin x などは詰めて sinx と書きなさい。
○数字は半角文字で,英字は半角小文字で書きなさい。
※このページに使用しているフォントで
tは,pqrsttxxyzxです。
(例題1)

(2x+1)3dx
(答案)
2x+1 = t とおくと, = 2dx =

(原式) =t3=+C=+C・・・答


(問題1-1)

(3x−2)4dx
(答案)
= t とおくと, = 3dx =


(原式) =t4=+C=+C・・・答



(問題1-2)


(答案)
= t とおくと, = 2dx =


(原式) =t-2=+C =−+C  ・・・ 答


◎一般に a ≠ 0 のとき,次の公式が成り立ちます。
(ax+b)ndx=+C

dx=(ax+b)dx= + C

sin(ax)dx =−cos(ax)+C

sin(ax+b)dx =−cos(ax+b)+C

cos(ax)dx = sin(ax)+C

cos(ax+b)dx = sin(ax+b)+C

eaxdx = eax+Ceax+bdx = eax+b+ C

 ていねいに計算するには,置換積分によりますが,逆に右辺を微分して左辺にするときに a が掛けられるので,積分のときは a で割ると考えれば簡単です。

(問題1-3)

sin(2x+1)dx =−+C

e3xdx = +C

(1−4x)7dx = +C


cos(3x+ )dx = + C


(例題2)

xdx

(答案)
= t とおくと,x+1 = t2  →  x = t2−1  →  = 2t  →  dx = 2t dt

(原式) =(t2−1)・t・2t dt=2(t4−t2)dt=2()+C
=2( )+C

=2( )+C


※ 無理関数を含む場合=tとおくと,うまく置換積分できます。
簡単な式は,ax+b=tでもできます。
(問題2-1)

dx

(答案)
= t とおくと,x+1 = t2  →  x = t2−1

→  =  →  dx = dt

(原式) = ・2t dt =2 (t2−1)dt =2( −t)+C

=2( )+C

 ・・・(この後 2 でくくることができます。)

(問題2-2)

x dx

(答案)
= t とおくと,x−1 = t3   →  x = t3+1

→  = t2  →  dx = t2 dt

(原式) = (t3+1)・t・3t2 dt = 3 (t6+t3) dt

= 3 ( + )+C

= 3( + )+C


 ・・・(この後 (x−1) でくくることができます。)


(例題3)

2xex2+1dx

(答案)
x2+1 = t とおくと,= 2x  →  dx =

(原式) = 2x et = et dt = et+C = ex2+1+C

※ f(x)dxf(x) を被積分関数といいます。この問題のように,被積分関数の全部が t に変換できなくても,約分によって x が消えることがあります。これは,f(x)dxf(x)dx...dt になると考えても同じです。

(問題3-1)

sin3x cosx dx

(答案)
sinx = tとおくと=cosx→dx=

(原式) =t3 cosx= t3dt=+C=+C


※【要点】 sinnx cosx →sinx = tとおく, cosnx sinx → cosx = t とおく。

(問題3-2)

dx

(答案)
logx = t とおくと, =  →  dx = dt

(原式) = x dt = t dt = +C = +C



(例題4)

dx

(答案)
x2+x+1 = t とおくと,= 2x+1  →  dx =

(原式) = = = log| t |+C
= log|x2+x+1|+C


(この式でx2+x+1 は常に正なので,最後の式は log(x2+x+1)+C とできます。

※ 一般に,分子が分母の微分となっているときは, となるので,直ちに

log| 分母 |+C とすることができます。(丸もうけです。)

(問題4-1)

dx

(答案)
被積分関数で(分母)’=(分子)となっているから
(原式) = log| |+C

(問題4-2)

dx

(答案)
被積分関数で(分母)’=(分子)となっているから
(原式) = log(ex+)+C
※ なお,原式の分母は,つねに正だから | | 記号は不要。

(問題4-3)

dx

(答案)
dx = dx と変形すると,

被積分関数で(分母)’=(分子)となっているから

(原式) = log||+C

【補足】
 の積分を求めたいとき,とおくとできることが多い.
 例えば,を計算したいとき,このまま積分するにはのように2乗の部分を展開しなければならないが,とおくと

となって,2乗の展開が不要になる.
【補足1】 次の不定積分を求めよ.
(解答)
とおくと




【補足2】 次の不定積分を求めよ.
(解答)
とおくと





[注]直前にPC版から入られた場合は,自動転送でスマホ版に来ていますので,ブラウザの[戻るキー]では戻れません(堂々巡りになる).下記のリンクを使ってメニューに戻ってください.
...(携帯版)メニューに戻る

...(PC版)メニューに戻る


■[個別の頁からの質問に対する回答][不定積分の置換積分について/18.9.4]
全然分からなかったので、ヒントをお願いします。
=>[作者]:連絡ありがとう.十分たくさんのヒントが書いてあります.
■[個別の頁からの質問に対する回答][不定積分の置換積分について/18.6.23]
少し読みづらい
=>[作者]:連絡ありがとう.漠然と書くのでなく,もっと具体的に指摘してもらう方が,他の人のためにもなるでしょう.たとえば,スマホの機種ごとに利用可能なフォントが違うので,積分記号の表示,被積分関数との間隔がPC版と異なる形で表示されることがあります.
■[個別の頁からの質問に対する回答][不定積分の置換積分について/17.10.5]
まとまっていて、簡単な練習問題で演習しながら理解できたのでとても役に立った。
=>[作者]:連絡ありがとう.
■[個別の頁からの質問に対する回答][不定積分の置換積分について/16.10.21]
もう少しレベルの高い実践的な問題を1問置くといいと思った
=>[作者]:連絡ありがとう.言われる意味は分かりました.なお,頁の初めにあるサブメニューで同(2)を行ってもらうことができます.