【要点】
・中間項が消えれば和が求まります。 ・中間項が等比数列などになっても和が求まります。 ○等比数列の和
(1) 求める和をSとおく。
(2) 公比rをかけてrSを作る。 (3) S−rSを求めると,中間項が消えて,Sが求まる。 S(1−r)=a-arn となるから ○等差数列と等比数列の積になっている数列の和
「等差数列と等比数列の積になっている数列」とは,例えば次のようなものをいいます.
【例1】 初項1,交差1の等差数列an=nと初項1,公比2の等比数列bn=2n−1の積 anbn=n×2n−1 初めの幾つかを書くと 1, 2×21, 3×22,..., r×2r−1,..., n×2n−1 【例2】 初項3,交差2の等差数列an=2n+1と初項3,公比3の等比数列bn=3nの積 anbn=(2n+1)3n 初めの幾つかを書くと 3×31, 5×32, 7×33,..., (2r+1)3r,..., (2n+1)3n 等比数列の場合,S-rS により「中間項が消えるので」和が求まります. 等差×等比型の場合,結果を覚える形にすることはできませんが,上で示した方法を真似すると 「中間項が消えなくても」「中間項の和が求まるので」全体の和が求まります。 この場合は,「中間項が等比数列」となり,和が求まることになります。
【要点】
S−rSを作る ○Sが等比数列の和ならば ⇒ 「中間項が消えて」和が求まる. ○Sが等差数列×等比数列の和ならば ⇒ 「中間項が等比数列になって」和が求まる. |
【例1】 次の和を求めなさい。ただし,r≠1とする。
(答案)S=1+2r+3r2+4r3+5r4+・・・+nrn−1とおく −)rS=r+2r2+3r3+4r4+・・・+(n-1)rn−1+nrn S−rS=(r0+r1+r2+r3+r4+・・・+rn−1)−nrn ()内は等比数列の和になるので公式で和が求まります。 ()内は初項1,公比等比r,項数n(r1からrn−1まででn−1項,これに1=r0の項を付け加えるとn項)の等差数列の和数列の和だから 結局,求めるものは …(答)
(ビックリ答案から学ぼう)
※次の数列は等比数列ではありません: S=1+2r+3r2+4r3+5r4+・・・+nrn−1 今までに出会った間違い答案で,「どうしても合わない」という人は,この数列の公比を と考えていた例がありました。公比は”公”なのでnによらない共通な定数でなければなりませんが,この数列には公比はありません! どうしても納得しない方は, 1,3,5,7,… ,(2n−3),(2n−1) という数列[公差2の等差数列]の公比が とは言えないことを思い出しましょう.
(参考)
wxMaxima(←インストール方法など)を使って,検算する方法 メニューから:微積分→数列の総和→
[関数]k*r^(k-1)
これにより,次の形で出力されます.[変数]k [下端]1 [上端]n [数式で出力]にチェックを入れる
【例2】 次の和を求めなさい。ただし,x≠1とする。
(答案)S=2x+3x2+4x3+5x4+・・・+(n+1)xnとおく −)xS=2x2+3x3+4x4+・・・+nxn+(n+1)xn+1 S−xS=2x+(x2+x3+x4+・・・+xn)−(n+1)xn+1 ()内は等比数列の和になるので公式で和が求まります。 ()内は初項x2,公比等比x,項数n−1の等差数列の和数列の和だから 結局,求めるものは …(答)
(参考)
wxMaximaを使って,検算する方法 メニューから:微積分→数列の総和→
[関数](k+1)*x^k
これにより,次の形で出力されます.[変数]k [下端]1 [上端]n [数式で出力]にチェックを入れる |
■問題
1 次の和を求めなさい。ただし,x≠1とする。
(答案)
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(正しいものを選びなさい。)
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■問題
2 次の和を求めなさい。
(答案)
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(正しいものを選びなさい。)
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