■対数の計算公式
○ 高校の教科書程度の対数計算では,以下に述べる「対数を数値に直す公式」が使える場面が多く登場します.
•真数が特別な値になっているときは,計算機や数表を使わなくても対数の値が求められます.
•一般の場合には,対数の値は計算機や数表がなければ求められません.
底がa>0, a≠1の条件を満たしているとき
(1)
loga1=0
≪例≫
log21=0
log31=0
(1)←(証明)
指数の形対数の形
ax=ylogay=x
 対数の定義として,指数の形と対数の形は次の表のように対応します.
 ところで,どんなa>0, a≠1についても
a0=1
が成り立つから,
loga1=0
になります.

(2)
logaa=1
≪例≫
log22=1
log33=1
(2)←(証明)
 どんなa>0, a≠1についても
a1=a
が成り立つから,
logaa=1
になります.

※この頁に登場する基本的な問題は,社会生活で登場する実用的な計算と比較すると,「めったに登場しない特別な値」を扱っていることになります.
 社会生活で登場する統計データについて対数の値を求めるには,この頁で述べる程度の基本が分かった上で,Excelなどを用いて計算します.Excelなどで求められる値は近似値です.

≪参考≫Excelの表計算関数
底がa,真数がxのときの対数の値
=log(x, a) ←数学での記号と順序が逆になっていることに注意
常用対数(底が10のときの対数)
=log10(a)
自然対数(微分積分などを行うときに使う e=2.718...を底とする対数)
=ln(a)

ABC(式→値)
1真数対数の値
223=log(B2,A2)→1.585
3105=log(B3,A3)→0.699
41.453.72=log(B4,A4)→3.536
5 2=log10(A5)→0.301
6 3.14=ln(A6)→1.144
a>0, a≠1, M,N>0のとき
(3)
logaM+logaN=logaMN

≪例≫
log102+log103=log10(2×3)=log106
log26+log27=log2(6×7)=log242
(4)
logaM−logaN=loga

≪例≫
log512−log53=log5 =log54
log1050−log105=log10 =log1010=1
(3)←(証明)
指数の形
対数の形
M=ax, N=ay
とおく
x=logaM, y=logaN …(A)


MN=axay=ax+yx+y=logaMN …(B)
(A)(B)よりlogaM+logaN=logaMN


(4)←(証明)
指数の形
対数の形
M=ax, N=ay
とおく
x=logaM, y=logaN …(A)


==ax−yx−y=loga …(B)
(A)(B)よりlogaM−logaN=loga
a>0, a≠1, M>0のとき
(5)
logaM n=n logaM
このlogaM nloga(M n)の略です.
(logaM )nを表すときは( )を省略しません..

≪例≫
log102 3=3 log102(指数から係数へ)
log35=log35 =log3(係数から指数へ)
(5)←(証明)
指数の形
対数の形
M=ax
とおく
x=logaM …(A)


M n=(ax)n=anxnx=logaM n …(B)
(A)(B)よりlogaM n=n logaM
問題次の値を求めてください.
(3)log102+log105 =
採点する やり直す
(4)log412−log43 =
採点する やり直す
(5)log46−log430+log45 =
採点する やり直す
(6)log215−log26−log210 =
採点する やり直す
(8)log5 =
採点する やり直す
(9)log7 7 =
採点する やり直す
(10)log6 = −
採点する やり直す
(11)log10 +log10 =
採点する やり直す
(12)log3 −3log3 =
採点する やり直す
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