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高校〜大学基礎の数学用語.公式.例

1. 逆三角関数の定義
• のグラフは次の図のようになり,異なるxの値に同じyの値が対応する.

• 例えば,だから
となるxの値は多数ある.
• 一般に,xの範囲を限定せずにの逆関数を定義すると,1つのyの値に対して多数の(無限個の)xの値が対応する「多価関数(無限多価関数)」になる.
• そこで,の逆関数の値がただ1通りに定まるように,通常,主値(principal value)と呼ばれるの区間に制限して,逆三角関数を考える.すなわち,

この区間は単調増加関数で,xとyが1対1に対応するから,逆向きの対応がただ1通りに定まる.
 独立変数をxで表し,従属変数をyで表す習慣に従って,文字を入れ換えて書くと

• なお,このように逆三角関数を定義するにあたって,主値の区間に制限していることを示すために,のように先頭を大文字で表すこともある.その他,という記号もよく使われる.
 以下においては,特に断りがなくても,逆三角関数は主値を表すものとする.
主値は,逆三角関数の値域元の三角関数の定義域
定義
三角関数

の逆関数は,逆三角関数

なお,という記号は,「逆の」という意味を表す専用の記号として使用しており,負の指数のという意味ではないことに注意.なども定義していない
 ある逆三角関数が表している内容は,三角関数に直してみると分かる.





 なお,のような値は筆算では求められない.これは,を満たすxの値が筆算では求められないという事情と同じである.
 (逆)三角関数表またはコンピュータを使えば,小数の近似値で求められる.Excelでは ACOS( )という関数を使う.[arccosの略]

2. 逆三角関数の定義
• のグラフは次の図のようになり,異なるxの値に同じyの値が対応する.

• 例えば,だから
となるxの値は多数ある.
• 一般に,xの範囲を限定せずにの逆関数を定義すると,1つのyの値に対して多数の(無限個の)xの値が対応する「多価関数(無限多価関数)」になる.
• そこで,の逆関数の値がただ1通りに定まるように,通常,主値と呼ばれるの区間に制限して,逆三角関数を考える.すなわち,

この区間は単調減少関数で,xとyが1対1に対応するから,逆向きの対応がただ1通りに定まる.
 独立変数をxで表し,従属変数をyで表す習慣に従って,文字を入れ換えて書くと

• なお,このように逆三角関数を定義するにあたって,主値の区間に制限していることを示すために,のように先頭を大文字で表すこともある.その他,という記号もよく使われる.
 以下においては,特に断りがなくても,逆三角関数は主値を表すものとする.
主値は,逆三角関数の値域元の三角関数の定義域
定義
三角関数

の逆関数は,逆三角関数

 ある逆三角関数が表している内容は,三角関数に直してみると分かる.






3. 逆三角関数の定義
• のグラフは次の図のようになり,異なるxの値に同じyの値が対応する.

• 例えば,だから
となるxの値は多数ある.
• 一般に,xの範囲を限定せずにの逆関数を定義すると,1つのyの値に対して多数の(無限個の)xの値が対応する「多価関数(無限多価関数)」になる.
• そこで,の逆関数の値がただ1通りに定まるように,通常,主値と呼ばれるの区間に制限して,逆三角関数を考える.すなわち,

この区間は単調増加関数で,xとyが1対1に対応するから,逆向きの対応がただ1通りに定まる.
 独立変数をxで表し,従属変数をyで表す習慣に従って,文字を入れ換えて書くと

• なお,このように逆三角関数を定義するにあたって,主値の区間に制限していることを示すために,のように先頭を大文字で表すこともある.その他,という記号もよく使われる.
 以下においては,特に断りがなくても,逆三角関数は主値を表すものとする.
主値は,逆三角関数の値域元の三角関数の定義域
定義
三角関数

の逆関数は,逆三角関数

 ある逆三角関数が表している内容は,三角関数に直してみると分かる.





(参考)
三角関数

の逆関数は,逆三角関数


4. 逆三角関数の性質
 以下,逆三角関数の値は主値とする.
4.1(逆関数との合成は恒等関数)



解説
逆三角関数の定義から導かれる.
とおくと,だから

とおくと,だから

他の式も同様にして示される
4.2(偶関数,奇関数の関係)
 …奇関数
 …奇関数

解説
とおくと


は奇関数だから

したがって

右図のようにのグラフは原点に関して対称だから,奇関数になる.

も同様にして示せる.
右図のようにのグラフは原点に関して対称だから,奇関数になる.
※なお,のグラフは原点対称でもなく,y軸対称でもないから,偶関数でも奇関数でもない.
のとき




だから


例題
(1) の値を求めてください.
(解答)
のとき
の和を求める.
三角関数の加法定理により

だから

したがって

(2) となるの値を求めてください.
(解答)
を代入すると





4.3(余角の関係)


解説
のとき≫
 右図のような直角三角形を考えると



だから
が成り立つ
 右図のような直角三角形を考えると



だから
が成り立つ
のとき≫も含めて,一般には次のように数式変形で示せる

のとき
だから


単調増加な区間であるから,関数が等しければ変数も等しい

したがって



の逆関数である.

のとき
だから


単調増加な区間であるから,関数が等しければ変数も等しい


したがって


4.4

解説
のとき,右図の直角三角形を考えると
だから

だから

だから

これらは互いに等しい

解説
のとき,右図の直角三角形を考えると
だから

だから

だから

これらは互いに等しい

解説
のとき,右図の直角三角形を考えると
だから

だから

だから

これらは互いに等しい
4.5

解説
右図の直角三角形において,
だから


だから


解説
右図の直角三角形において,
だから


だから

だから


だから


解説
右図の直角三角形において,
だから



だから



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